熱帯の夏、一度しか雨に降られなかった。毎朝、地平線から太陽が、溶けた吹きガラスのような光を放ち空へと昇ることを楽しみにしていた。大地を焼くように照りつける熱帯の地で、汗をかきながら、それでも見上げると空の入道雲の連なりに、どこか爽やかな気分になったのは何故だろう。
撮り続けた熱帯の空。いつか、ある日空を見て、イロイロで見た空の色だと思い出すための、記録。

朝、初めの光。
みるみると昇り、大地も、私の肌もジリジリと焦がしてゆく。


夜、終わりの光。
燃えるような太陽と、冷たい風に安らぎをおぼえる。
















イロイロ空港で、最後に見た空。
