Batumi 2 海の街

 

次の日、朝食に何も用意していなかったのでお腹を空かせながら朝の散歩をした。爽やかな朝だけれど、日差しはビームみたいに暑い。小さな教会の前を通りかかったので入ってみる。昨日と同様に教会の隅の方で人の姿を眺めていると、「いったい何をしているんだ、お祈りをするんだよこうやって」と言いながら(ジョージア語で)蜜蝋の燻んだ茶色の蝋燭をふたつくれた。キリスト教を信仰していなくても、蝋燭を灯して良いのだろうかと思ったけれど、せっかくいただいた蝋燭なので私も素直に、お祈りさせてもらう。波紋様のような青いステンドグラスのある教会、朝の青い光が境内を照らし、美しかった。お爺さんにお礼を言い、腹ぺこでパン屋さんに向かった。

パンらしい看板を発見する、半地下のようになった部屋、地下の小さなパン工房は窓もなく、ものすごく暑い。優しい目をした小柄なお爺さんが一人、せっせと釜に生地を貼り付けている。

パン屋のおじさんの朝

もう少しで焼き上がるようなので、待っていると出来立てを釜から剥がしてメモ用紙で包んでくれた。火傷をしてしまいそうなほど熱くて大きなショティ、齧り付くと周りはカリッカリ、中はお餅のようにもっちりと弾力があり、めっちゃくちゃ美味しい。ちょっと齧るつもりだったのに、夢中で食べてしまった。笑 なんて贅沢なんだろう。

(R)可愛い扉と、重くて指が筋肉痛になりそうなショティ。笑

朝の美しい教会と、出来立てのショティにすっかり満たされ、ゲストハウスに帰り、窓辺に座って編集をして過ごした。夕方、作業がひと段落したので水着を着て、街を歩き、浜辺へ向かうことにした。

海沿いにはカジノがあり、夏の観光客で賑わっている。そして、不思議なモニュメントも多い。ソ連って全体の調和に厳しいイメージなのに、なんでこんなに個の主張が激しいのかと不思議に思いながら歩く。バトゥミのシンボルたちには全然惹かれず、写真もほぼ撮ってないので、貴重な一枚。笑 蛇口がついたタンクに飲み物を売っているおじさんを見かける。こんなの、ウェスアンダーソンの世界の人ですか?可愛い。Kbac(クワス)はライ麦パンを発行させたノンアルコールビールのような飲み物で主にロシアや東欧で見かける夏の風物詩だそう。味は黒ビールのような、酸味とコクがあって美味しい。

ジョージアといえばぶら下がったおやつ、チュルチュヘラをよく見かける。くるみやヘーゼルナッツ入りのグミのような食感で、めちゃくちゃ美味しいのに、この写真を撮った頃にはなんかも甘そうだし、雨風にさらされてそうだし、「なんなのあれは?」と、怖くて試せず。笑 後にびっくりするほど美味しくて、ハマった。

少し雨が降って、人々が上がり始めた頃、海は静かになった。私はその静かな海に入ってみる。水が冷たくて心臓がどきどきした。夕方だからなのか水が黒く見え、なんだかあまり癒されなかったけれど、黒海で泳ぐなんて面白い経験だ。結局、海には少しだけ浮いて、あとは再び石探しをしていた。石同士が波に削られるのか、丸くて綺麗な石が本当に沢山ある。手に取るとすべすべとして癒され、目につく石を沢山持って帰る重たい帰り道になった。

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