世界最高齢のTattoo artist、アポ・ワン・オド(APO Whang-od)さんへ会いにルソン島北部の小さな村、Busucalan(ブスカラン)へ旅したことを記録。ここではバスでのことや途中寄ったBonctoc(ボントック)のこと。
フィリピン滞在中にタトゥーを入れて帰ろうと検索する最中、偶然に彼女のことを見つけた(脳内で一致した)のは眠れない真夜中2時頃だったと思う。結局、そのまま眠れずBuscalan(ブスカラン)村のことや、そこへの行き方など色々と調べながら過ごした。興奮し、全身がへとへとになったことは記憶している。笑
人に伝えると、皆、大興奮。「え、ワンオドに会いに行く?Crazyyyyy!!!」って反応。笑
なんだかミーハーな選択なのかなと思ったけれどフィリピン北部の棚田や部族の人々の暮らしを見たい、撮りたいという気持ちもあり、ホームステイできるBuscalanへの旅はやっぱり、魅力的だった。
Buscalanへのアクセスやmap、お金のことなどは別に記載しています、こちらからどうぞ。
ManilaからBontoc (ボントック)mountain province までは約12時間の道のり。
元々長距離バスではあまり眠れないタイプで、SAの度に意識を引き戻されたり、軽い接触事故でバスが軽自動車かと思うほどくねくね動いたり、深いカーブの山道でトラックや大型バスが大渋滞する様子にヒヤヒヤしていたら、まぁ、あっという間だった…
朝5:30ごろ、山道の途中で山小屋のようなSAに停車。ずっと排気ガスだらけの街暮らしだったので青い山並み、空気が爽やかーーーーで幸せを噛み締めていた。すると”Breakfast〜”とバスの運転手のおじさんに声をかけられる。うん、確かにいい匂いだ。
黄色い壁をバックに、バナナリーフの上には素揚げの魚やフィリピンならではの真っ赤なソーセージ、チキンや卵のラインナップがずらり。フィリピンに来たばかりの頃、毎朝ガーリックライスが出るのが不思議(キツくて!笑)だったけれど、豚の血入りソーセージとガーリックライスがこの国の、朝食の定番みたい。熱帯ならでは、暑さに負けないガッツリメニューらしい。
私は甘辛く煮たチキンと卵をチョイス。チキンは醤油ベースで日本食みたい。ライスも細長くパラパラしたものに比べると粘り気もあり、形はジャポニカ米に近い。熱々のご飯、ほっとしたなぁ…目の前には青々とした棚田と椰子の木が広がっていて、思わぬ大絶景の朝食がいただけるサプライズに高揚していた。
霧の深い外の世界を眺めていると次第に車窓越しの植生も変化してくる。椰子やマンゴーと一緒にシダや松が生えているのは人生で初めて見る光景。しっとりとしていてとても、幻想的だった。
高度を下げて見えてきたのは谷間の街、Bontoc(ボントック)Mountain Province. 到着したのは朝の8:00前。バスを降り、次のバスまで一時間。
せっかくなので少し、朝の散歩を。
奥には山を望むその街は彩度を押さえた色使い、スペイン?とも似つかない独特な雰囲気でソフィの帽子屋のあるアルザス?やドイツらしさを感じた。(電柱がフィリピンに引き戻してくれるけど)
至る所が妙にクリエイティブに富んでいる街で、可愛い、可愛い…!
と、賑やかなのは私だけ…街はまだ静かな時間、黙々と仕事の支度をする庶民の暮らしが垣間見えた。
フィリピン北部(Luzon island)に位置するBontoc(ボントック)、マーケットの人々の控えめにこちらをちらりと観察するも、また自分の仕事に戻る。トライシクルもジプニー各々の装飾が愉快で、こんなシャイな見かけによらず内側には色々と秘めているのかなと思った。
お店?の前でにこにこと見つめてくれる可愛い表情に、「撮ってもいい?」とカメラを向けると恥ずかしそうにはにかんでくれた。
二ヶ月過ごしたフィリピン中部(Visayas island)に位置するイロイロの人々は無邪気な顔でピースしてくれたり「魚じゃなく俺らを撮れよ」って言われたり。笑 そんななオープンなマインドを持っているフィリピーナを見てきた私にとって、ここは新しいフィリピンとの出会いだった。
観光客を目で追うことなく黙々と作業する姿。普段から多くの観光客を目にし、既に見慣れているのもあるのかなとも思うけれど、そのシャイな雰囲気にはどこか親しみ憶えた。これから向かうBuscalan(ブスカラン)は一体どうなのだろう…?
この地域は物価もずいぶんと差があって、グリーンマンゴーなんて1キロ30pesosで売られていて(小ぶりだから6個くらい?で80円くらい?)ドラゴンフルーツやマンゴスチンも…心の中で涎垂らしながら歩いてた笑 行かれる方はぜひぜひ、楽しんで〜!!
ここにも立派な教会、Catedral of All Saints(全ての聖人の窓?)とある。ステンドグラスは現地の人々のように見える。内部も少しだけ覗かせていただくと、清潔感のあるシンプルだけれど石造りに板張りの屋根で立派な堂内。
Bontoc(ボントック)はBontoc族の土地で、部族の人々の暮らす村への入口の場。スペインコロニアル後に、アメリカの宣教師が入り、街づくりを行っただそう。道理で、独特で立派な造りの建物が並ぶわけだなぁと納得した。
そんな街歩き、バス停近くのスーパーとおやつ売り場?で手作りおやつとお水を買い、大満足でバスに乗り込む。
買ったおやつはふたつ、餅米をココナッツミルクと塩で練った三角形のちまき、Suman(スーマン)と、ピーナッツ餡の入った平らなお餅、Suman latik(スーマンラティクかな?)フィリピンのおやつはバナナリーフに巻かれているものが多く、なかなか見分けがつかないけれど、餅米か米粉に、ココナッツを使ったものが殆ど。Sumanは少し塩気があり驚いたけれど、もち米の粒感が残り、美味しい。Suman latikはナッツ好きなら絶対にお勧め。(私は帰りも買っちゃった)ひとつたったの7pesos(25円くらい)。もっと色々とお薦めされていたけれど、日持ちもしないので泣く泣く諦める…こういう現地でしかいただけないものを味わえるってこと、旅ができるって、幸せだなって思った。
9:00にBontocから出発するバスに乗るため、10分前に戻ると、既に満員状態で、お尻を寄せ合って座らせてくれる。ガタガタ道で、滑るバスの座席が結構きつくて、隣にいる少女が何度も「もっと寄っていいよ?」と声を掛けてくれた…涙 こんなふうにフィリピーナって本当に優しく面倒見の良い人が多くて、困っている時にはすぐにすぐに手を差し伸べてくれる度に癒されていたな。
山の斜面を走るバスからは、圧巻の棚田!!なんと途中、バスが「ガガガガガ!」と、あれこれ、大丈夫?って音がして停車。落石で道が塞がり通れない。一体どうするのかなと思い見守っていると「カンッカンッ」って石割りから開始するから、異文化だぁぁぁって感動してた。20分以上は停車してたかな、最終的に無事抜けられた時には思わず拍手してしまった…笑
結局、停車時間も含め2時間弱のバスの旅。Buscalanのエントランス、ティングラヤンの分岐点で降りたのはたったの二組…
あ、この道、このバスが、この人たちの日常なんだって、知った。
そんな道中。移動も旅の醍醐味。Busucalan(ブスカラン)まではあと少し!
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