Manilaでのこと2

散々なことをつらつらと書き殴ってしまったけれど、歩いて気づいたことのひとつはこの街の人の、やわらかさだった。ドアをそっと押さえてくれていたり、隣の席が空いているよと手で合図してくれたり、にこっと笑う顔が本当に、素敵だ。人懐こい表情は、犬も、猫も、目がとろんと垂れ可愛らしい表情をしている。そういった風土なのだろうか…

バイクにまたがるお兄さんも、立っている警察官も”Hello〜”って、交わしたいだけ。カメラを向けると無邪気にピースをしてくれる。街ゆく人と目が合うと、にこりと微笑んでくれる度に癒された。

そんなマニラでの街歩きの記録。

マニラの中心には、イントロダムス(Intramuros)というスペイン統治下時代の建造物の残る歴史地区へ。(地図はゲートのある場所だけれど、この一帯のこと)

不思議なところで、観光通りの一本裏手には人々の暮らしがある。その混沌とした様子、私には厳しい暮らしに見えた。

でも、道ゆく私なんかにも子どもたちは手を振ってくれる…こんな酷暑に家の前のプールで楽しむ子どもたちは涼しげで「暑いね、涼しくて良いね」って。上手く言えなくても、その一瞬は通じ合えるしそれで良いのかなと思うこともある。

イントロダムス内の、世界文化遺産のひとつ、サン・アグスティン教会(San Agustin Church)へ。フィリピン最古の教会らしいが、なんと3度目の姿らしい。初めはフィリピンに生息するヤシの木で、2度目は木造。どちらも焼失してしまったことから、意を決し石造りで再再建した、1607年から現存する歴史ある教会。どんな荘厳な建物かと思うが拍子抜けた…入口のこのガーゴイル、ココナッツウォーター飲んでない?!ストロー刺して、飲んでる……..

もう、頭も心もぐちゃちゃな私….笑

フィリピーナっておおらかで「まぁ、楽しみなよ」って、背中をばしりとされたような気分だった。笑

周囲はフォントや色使いが新鮮な街歩き。これだけ見るとポルトガルかスペインか、そんな雰囲気に思えた。アイアンの装飾、鮮やかな色彩の建物が並ぶ。街は正直不衛生な箇所も多いが、街を歩くとあちらこちで箒が擦れる音を耳にするのも印象的だった。実際に足を運ばないと、そんなことには気づけない…知れてよかった、と思った。

イントロダムス内、マニラ大聖堂脇のカフェで休憩。店員さんはにっこりとした笑顔で、私の注文を聞いてくれる。その柔らかさはなんて言えばいいんだろう?アイスコーヒーを頼むとストローが刺せないくらいタプタプに入れて来てくれた。そんな優しさに触れて、すぅーと、肩の力が抜け優しい気持ちになっていくことに気づく。

気持ちも心も少し落ち着き、マニラ大聖堂へ。フィリピンはキリスト教徒が多いので(島によってはムスリムの方が多い地域や部族の人々の土着文化もまだ健在)教会が沢山ある。

マニラ教会の扉の装飾、可愛い。

外観は荘厳だけれど教会の内部は西洋にある豪華絢爛なものとは異なる比較的シンプルな印象だった。ステンドグラスから光が入り込み、静かな時間。

また別の、少し離れた街の教会にも。向日葵に囲われたキリスト像が眠っていた。中華街の側だったからか、扉が中華系の紋様に思えた。後から作ったのかなぁと、思う。

灼熱と湿度、そして大気汚染と悪臭でとにかく苦しいマニラでの街歩きで、街路樹に出くわすと身体が瞬時に呼応する。木漏れ日の下で、バイクの騒音やクラクションの中、耳をすませばとても柔らかな音がする。

大きな葉は水分量があり柔らか、木々はうねり、コンクリートを突き抜けながら光に向かって伸びる。日本の都市部の街路樹では決して見られない生命力だなと思った。この悪環境の中、こうしてそよいでいるのだから相当な力があるんだろう…森の中でこんな熱帯のぐるぐるとトルネードした木の幹に寄りかかりたいなぁと思いながらManilaを歩いた。

ホテルのそばの裏道は、怖くて早歩き。半地下のような住まいにも人が住んでいる。エアコンなどもちろんないので、家の裏で昼寝をしている人々。暑いしエネルギーを必要とする日々、ただここに居るだけで気が滅入る。一体どんな気持ちで生きているんだろう….。

マニラの食事、このクオリティならあと300円高くても見た目、味、と整った日本のご飯が食べたいと思わずにはいられなかった笑(徐々に書いていけたら良いけど、現地のものいただくのが一番美味しいと思う)でもいつかこの国だってどんどん変化してゆくし、これも記録のひとつ。

結局、近くのセブンでスナックと(キャラメル&チーズのポップコーンと、魚のスナック?)ビール(定番Red Hourse これは美味しい)に手に出す夜、やさぐれてたなぁ…マニラでのこの感情をどう落とし込んだら良いのか、とPCに向かった。感情を昇華するのは、時間が必要だ…

明日は違う島へ移動。この時はまだこの先のこと、不安でいっぱいだったなぁ。

翌朝は全然情報の出てこない笑

Ninoy Aquino international airport(ニノイアキノ空港)terminal 2へ。

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