mt.Hotaka Karasawa Cirque

秋が来た

秋の、あの鮮やかに色づく森、

冬を前に一斉に色づく。

私は色のない世界に惹かれるのになぜか秋がいちばん好きだ

何故、秋はあんなにやさしいのだろう。

理屈ではない、身体が感じるあのやさしさが好きだ。

in the morning.

今年の秋、三連休、その秋を感じに行きたくて混むことは承知で涸沢へ。

案の定、まだ暗い上高地のバスターミナルには沢山の人。

皆ザックを背負い、どこか上気した気配が十分に冷える秋の上高地にそこだけ、漂う。

今回はひとり。わたしはゆっくり支度をし、次第に明るくなる山々へ向かう。

朝、少しづつ色が薄くなる白銀の森に光が射し込む。

朝の森を、なんと言葉にしたらいいんだろう、
透き通る空気が私自身も透明に。
次第に私の輪郭など消えてゆく、その感じを、味わう。

山の峰々は既に白を纏う。時々、木々の間からその美しい鋭利な頭を臨み、お辞儀をしながら前へと足を進ませる。

明神、徳澤、横尾まで、レンズ越しの森を眺めていたりで、だいたい時間ほど。
結構のんびり来てしまったので、横尾から登りモードに。

陽ざしもあたたかくてアイスブレーカーのメリノのロンT、山道のライトパンツだけでの軽装で。
薄着になるとさらに風を感じ、前に進むのが気持ちよくなる。すっかりハイカーズハイ(しばらく平坦で、決してクライムではなかったので)になりながら。

高度をあげると木々はみるみる鮮やかに。

どことなくカラメルの芳ばしいにおいが漂うトンネル、金色の光に誘われながら歩く。

息するたびに、お腹のあたりがに金色の秋がとろとろと。私の身体も秋に染まってゆくのが嬉しかった。

前には靴紐が色違いのゴロー三人組。いや、足なので六人組かな。
「最近のあんなかっるい靴なんか履いたら俺、どこまでも行けちゃうよ、まぁいかんけど」って笑ってた。

Hokaのかっるい靴を履く私、後ろを歩きながら思った。

前へ前へと、秋の光にでもなったような軽やかな足を進ませながらそんな風に思っていた。

「そう、私、何処までも行けてしまいそうだよ」

結局、出発からかれこれ7時間
七竈の道に誘わながら涸沢カールへ、到着!

最後の登りはきつかったけれど、今まで歩いた山道のなかで一番整備され(過ぎ)た道で、
歩きやすく、休憩箇所も多かった。


個人的には、もうすこしごつごつした、自分で選んでいく道が好きなので
若干物足りない感はあるけれど、背後の、続く空と山並みを時々振り返りながら歩くのはなんとも贅沢な時間だった。

涸沢カール、名物テント泊。


涸沢ヒュッテでおでんとビールを意気込んできたのだけれど寒いし、長蛇の列だしで、諦めました…

くー…次は絶対にあのMAMMUT生ビールとおでん、食べるんだ、次のお楽しみに。

さぁ、お腹もすいたので早めにご飯を作ってのんびりす過ごす。

日が落ちると寒い、寒い。

それでも夜のカラフルな涸沢の光に夢中でシャッターを切っていたら…


いつの間にか冷え冷えに…
私は寝袋にくるまり早めの就寝。

かなり強風に吹かれていたけれど寝袋のなかは暖かく、ストレッチもせずにうずくまっていると気づくと爆睡。(いや、冬眠?笑)

朝、はっと目を覚ますと時刻は5:30!飛び起き頭上のテントを開けると、もう既に明るい!
随分と眠れたようで驚く。

(山小屋が大好きだが、その意識に相反し私の身体は寝袋や山小屋ではいつも身体がこわばりまともに眠れない…
この日は奇跡的になぜか随分よく眠れたので驚く。時々ブログなどで野宿している人を見るといいなぁと思うので笑
野宿までいかなくても外で眠ることに、慣れてほしい…)

残念ながらこの日、モルゲンロートはなかった…

けれど朝、その山に抱かれた多くの人が東を向き、サーモンピンクに染まる空を眺めていた。

地球に在ることの喜びに、すべての人が満たされていたらいいなと、ちいさく願う。
あんなにあったテントの集団もみるみる減ってゆく。

名残惜しい気持ちで、涸沢をあとに。

恒例ショット、山の友だちイエティくん

下山は大渋滞、ひとりだと帰りは大体駆け降りるように下山してしまうことも多いけど、仕方ない。ここでも秋を堪能する。


徳澤に到着することにはすっかり腹ぺこ。行きの時に「帰りは徳澤園でランチにしよう」と心に決めていた。


徳澤園はチロル風な重厚感のある木造の小屋が本当に、魅力的。この景色が見たくて山に惹かれているんだと思う。

徳澤園の灯り

山好きが大集結する徳澤園で、ちょうど大きな切り株に腰かけられそうなのでザックを下ろし、ふぅ、羽が生えたみたいに身体が軽い。
さぁなにを食べようかなとあたりを見渡す。クワトロのピザや名物ソフトクリーム、おでんもちらほら。私も迷いに迷い、マサラカレーをいただくことに

普段はスパイスカレーしか食べないのでいつぶりに?福神漬けが添えられた正統派な日本のカレー!

カレーって、こんなに美味しかったの?ねぇ?と、ひとりで泣きそうになりながら食べましたね笑 

いや、もう飲んでたかもね笑


しょっぱいものを食べたら甘いものがほしく、なる…えーい、ソフトクリーム食べちゃえ!と、いうことで名物ソフトクリームもいただきました。

かねがねの噂通り、美味しいソフトクリームですっかり満たされる。

少し寒かったけれど、美味しかった!

沢山食べてしまったので重たいお腹を抱え、えっちらおっちらと小梨平まで。

竜の頭のような倒木、自然の中にはまるで生き物のような様々な造形に良く遭遇する。

そのたびに、これが生命の形なのだ、と気付かされる。

本当はゆっくり温泉につかりたいけれど私はバスで来ているので今回は小梨平の入浴所で。

小さなお風呂だけれど、芯から冷えた身体がほぐれる、今回も怪我もなく無事過ごせて本当に良い時間だったな。

小梨平も夢のような森のテント場だし、いつか本とスケッチとカメラ、食料を持ち込み思う存分にのんびり過ごしてみたい…などと思いを馳せながら。